【歴史研究部】令和5年度活動報告「丸子紅茶」
歴史研究部です。令和5年度は「丸子紅茶」についての研究を行いました。徳川慶喜の家臣であった多田元吉がインドから「チャノキ」を持ち帰り、栽培を始めたことから静岡市丸子は「日本紅茶発祥の地」として知られています。多田氏の意思を受け継ぎ、紅茶作りを行っている村松二六さんから直接お話を伺いました。村松さんは紅茶の品質にこだわり、世界市場でも愛され健康によく美味しい紅茶を目指し、機械の開発から行い、独自の手法で紅茶作りを行っています。
以前参加させていただいた「丸子紅茶の研究会」では、村松さんの技術を学ぼうと全国から多くの生産者の方が足を運んでいました。そこで、宮城県にある有限会社ファーム・ソレイユの日野朱夏さん・日野優介さんにお話しを伺うことができました。日野さんたちは宮城県石巻市の桃生茶を使用した国産紅茶「Kitaha」を販売しています。以前は村松さんの工場に茶葉を運び加工していましたが、2022年7月に東北地方初の和紅茶製造工場が完成したそうです。この工場完成にも村松さんが惜しみなく協力してくれたそうです。
また、静岡県内にも村松さんからその技術を学び、紅茶作りを行っている方がいます。「梅ヶ島くらぶ」代表の辻美陽子さんです。辻さんは梅ヶ島の活性化を目指して、梅ヶ島でお茶の栽培からチャイシロップなどの商品の開発・販売を行っています。梅ヶ島紅茶の品質を向上させるため、村松さんから紅茶作りについて教えていただいたそうです。辻さんにも直接お話を伺わせていただき、「梅ヶ島をお茶の力で元気にしたい」という気持ちに感銘を受けました。現在は梅ヶ島で工房をかまえ、紅茶作りやチャイティーバック作りの体験をすることができます。
丸子紅茶は県内のカフェでも楽しむことができます。今回は匠宿にある「HACHI&MITSU」さんにお話を伺わせていただきました。ここでは地元の食材を使ってカフェメニューを提供しています。名前を知ってほしいという理由であえて「丸子紅茶」という表記で販売をしているそうです。丸子紅茶はスッキリとした味わいで飲みやすく、食事との相性も抜群なため、ランチのセットドリンクとしても大変人気のようです。
今回の研究を通して、「日本紅茶発祥の地」としての丸子紅茶を守り、研究に研究を重ねて美味しい紅茶を全国、世界へ広めようと活動を続けている村松二六さんとその同志の方々に出会うことができました。11月に行われた静岡県高校総文祭郷土研究大会で「丸子紅茶を世界へ-村松二六氏の夢-」として発表しました。残念ながら全国大会出場はできませんでしたが、村松さんが情熱を注ぐ「丸子紅茶」が多くの人に知ってもらい、静岡県がより活性化するようにこれからも研究を続けていきたいです。
この場をお借りしてご協力をいただきました全ての方々に御礼申し上げます。ありがとうございました。