シヅクリは、学校と企業、地域が連携し、仲間とともに静岡の未来を切り拓いていこうとする活動。静岡学園では授業に取り入れ、中1で「フューチャー」、中2で「エンジン」プログラムを実施しています。地域の企業、そこで働く人々と子どもたちを出会わせ、社会の一員としての意識を持って考え関わることでイノベーションを起こしていこうという取り組みです。
正解のない問いに挑戦し、
道を拓いていく。
探求するプロセスで、
自分の可能性も引き出す。
長年、教員や校長として子どもたちと関わってきた経験から、子どもたちが社会と結びつく場の少なさを実感させられ、学校教育の中で社会と子どもを出会わせる場を提供できないかと始めたのがシヅクリです。シヅクリのシには、こども<子>・教師の<師>・こころざし<志>・そして静岡の<シ>と、4つの意味があり、子どもたちと社会とで静岡の未来を描いていこうという取り組みです。
シヅクリの学びには正解がありません。正解のない問いに対してチームで最適解を見つけていくプロセスが子どもたちの探究心を刺激します。物事を多面的に見たり、深く掘り下げて考えたり、企業の大人と対等にタッグを組んでアイデアを出す、その試行錯誤にこそ価値があります。本気の企業と対峙することで、社会と向き合う力が生まれます。
大人と本気で対峙することで、
自分に自信をつけ、
未来を生き抜く力を育てるプログラム。
中1生が取り組むのはシヅクリの提供する「フューチャー」プログラム。実社会で活躍する静岡の職業人に啓発されながら、10年後の未来を生きる自分をイメージしていく探求活動です。具体的に働く自分を想像することで、社会と関わり未来を見つめる意識を養います。
さらに中2では地元企業のリソースを活かして、静岡の新しい可能性を広げていく「エンジン」全15回のプログラムを授業に取り入れています。「自分を否定しない」「他人の否定しない」「思いついたことは何でも言う」という約束のもとチームでアイデアをまとめあげ、企業人とともにブラッシュアップ。授業の総仕上げとしてプレゼンを行い、優秀な発表には企業賞が贈られます。学びのフィナーレには、県大会(静岡カップ)や全国大会(クエストカップ)が用意されています。
プログラムを通して探求する力を身につけ、自分と社会とのつながりを意識し、自分らしく生きる自信を育みます。
静岡学園は遠方からの入学者も多く、静岡の良さを在住者とは違う視点で捉えることができるのも特長。本気の取り組みから子どもたちの本能が引き出され、イノベーションが起きていきます。子どもが変わると、大人も変わります。シヅクリに取り組むことで、眠っている自分たちの可能性を見つけていってください。
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回を重ねるごとにチームがまとまり、
自信を持ってプレゼンへ。SBS情報システムと連携し、既存のアプリに困っている人と助ける人をマッチングする機能を追加するプランを提案。「相手の意見は否定しない」という約束があり思ったことをいい合える環境がよかったです。たくさんアイデアが出てひとつにまとめるのに苦労しましたが、スライド作りや伝えるための言葉選びまでみんなで考え、自信を持って発表できました。
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今ここにないものを作り出す
プロセスを楽しみました。青島文化教材社のリソースを活かして、地域を守る鳥型のロボットを発表しました。今までないものを考えるのが面白く、新しいものを作るプロセスも楽しみました。あまり話すことがなかったチームメイトとも積極的に意見を出し合い、お互いを知る機会にもなりました。発表後、企業の方から思った以上に褒めていただいたのもうれしかったです。
社会で活躍するために、
見えない力を育むカリキュラム。
先の見えない時代に大人になっていく子どもたちに、社会でたくましく生きる力を育んでほしい。そのために積極的に社会に関わるプログラムを授業に取り入れ、企業とともに地域社会を考えることを学んでいきます。
中2で実施する「エンジン」は、4人1組となって企業とがっつり組み合い、その企業のリソースを使って静岡をよくしようというプログラム。課題を見出し、企業を研究しその特長を活かしたアイデアをプレゼンしていきます。教師は見守るだけ。本気の企業から鋭い指摘がとび、時に追い込まれながらも自分たちだけでやり遂げたことが大きな自信につながっていきます。普段の授業では見られない積極的な姿に子どもたちの成長を感じ、他の活動への取り組み態度などにも良い影響が見られるようになりました。
子どもを評価する時にテストの点など見える力に重点を置きがちですが、世の中を生き抜くための見えない力こそ大切。この活動を通して、仲間と一緒にまとめる力、何かを伝える力、人に伝わるように練り上げる力を身につけてくれたら。卒業し社会に出て行った時にこの経験を思い出してくれたら。そう願っています。